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フリーフレーム工法は、切土法面や自然斜面に連続した格子枠を作り、法枠の安定を図ると共に、枠内に植生工を施すことにより、周辺環境との調和を図る防災と環境保全を図る工法です。
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■ 工法の特徴 |
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1. |
フリーフレーム部材は変形自由で軽量なため作業性がよい。 |
2. |
フリーフレーム部材は埋殺しとなるため解体作業が不要である。 |
3. |
モルタルやコンクリート打設は吹付工法を用いるため仮設が簡単で作業スペースをとらない。 |
4. |
地山に応じて経済的な断面を自由につくることが可能である。 |
5. |
地山に直接コンクリート類を吹付けるため、地山と枠が一体となり十分な強度が得られ、また、洗掘作用を受けにくい。 |
6. |
すべての枠が連続しているため地山の崩落に対する抵抗力が増大する。 |
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■ フリーフレーム工法の種類と特性 |
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フリーフレーム工法には、使用する型枠(ユニット式フリーフォーム)の種類により、FMタイプ、FPタイプなどがあります。
これらについての特徴は表1・1の通りです。 |
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表1・1 フリーフレーム工の種類と特徴 |
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タイプ |
特 徴 |
吹
付
枠
工 |
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ユニット式
フリーフォーム
FMタイプ使用の場合 |
① |
枠が連続している。 |
② |
地山に直接モルタル、コンクリートを打設するので耐久性、耐震性にすぐれている。 |
③ |
凹凸および曲面のある法面でも施工可能。 |
④ |
金網型枠が埋殺しであるため、産業廃棄物が発生しない。 |
⑤ |
型枠が金網であるため、高圧で吹付けたモルタル、コンクリートの反発ロスが型枠内から自動的に除去できる。 |
⑥ |
基礎コンクリートを必要としないため工期が短い。 |
⑦ |
鉄筋挿入工、グラウンドアンカー工と併用ができる。 |
⑧ |
急勾配法面でも施工可能。 |
⑨ |
型枠の網目が広いので、反発ロスをよりスムーズに排除でき品質を向上できる。 |
⑩ |
型枠上下端部の線材を内側に曲げ加工してあるため、ロープ、ホースなどのひっかかりが無くなり作業の安全性が向上し、梱包用ダンボールが大幅に減少する。 |
⑪ |
網はメッキ線を使用しているため、錆の発生が少ない。 |
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ユニット式
フリーフォーム
FPタイプ使用の場合 |
○ |
FMタイプ使用の場合の①~⑪と同じ |
⑫ |
鉄筋先組み施工のため、複雑な鉄筋組立作業が確実で能率が良い。特に300×300以上の大断面に有効である。 |
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表2・1 標準スパン(mm) |
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標準枠断面 |
標準枠スパン |
150×150 |
1150×1150 |
200×200 |
1500×1200 |
300×300 |
2000×2000 |
400×400 |
2000×2000 |
400×400 |
2500×2500 |
500×500 |
3000×3000 |
600×600 |
3000×3000 |
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表2・2 ユニット式フリーフォーム・FMタイプ・規格寸法 |
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表2・3 ユニット式フリーフォーム・FPタイプ・規格寸法 |
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※ FM,FPタイプの型枠は,金網の上下端部に鉄線の突き出しのないものを標準とします。 (産業廃棄物となる梱包用ダンボールが大幅に減少) |
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■ フリーフレーム工法の選定目安 |
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図1 抑止効果を必要とする工法(切土法面)
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注1) |
小規模 |
・・・表層崩落(深さ1.0m以内のすべり、崩落) |
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中規模 |
} |
・・・すべりの形状・規模により分ける。 |
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大規模 |
・・・地質調査・解析により判断する。 |
注2) |
一般に法面に施工する構造物でないものは、対策が異なるので別途検討する。(杭工・排水工など) |
注3) |
一般的である擁壁工は、地耐力の有無やのり高などの制限を受けるのでこれらを考慮し選定する。 |
注4) |
のり高、工期の制限、緑化の必要性、施工性を考慮して選定する。 |
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(フリーフレーム協会資料)
※枠中詰工については、(社)全国特定法面保護協会「のり枠工の設計・施工指針」の”中詰工法の選定手順の目安”参照 |
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■ 各断面に使用する鉄筋 |
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フリーフレーム工法の各断面に使用する鉄筋は表3・1を目安とする。 |
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表3・1 軸方向鉄筋の目安と鉄筋の重ね継手長さ |
枠断面 |
鉄筋の種別と本数
(SD295) |
断面形状 |
公称直径 |
所要重ね継手長さ
(mm) |
150×150 |
D10×2本 |
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9.53 |
300 |
200×200 |
D10×4本 |
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9.53 |
300 |
D13×4本 |
12.70 |
400 |
300×300 |
D13×4本 |
|
12.70 |
400 |
D16×4本 |
15.90 |
500 |
400×400 |
D16×4本 |
|
15.90 |
500 |
D19×4本 |
19.10 |
700 |
D16×8本 |
|
15.90 |
500 |
D19×8本 |
19.10 |
700 |
500×500 |
D16×8本 |
|
15.90 |
600 |
D19×8本 |
19.10 |
700 |
D22×8本 |
22.20 |
900 |
D25×8本 |
25.40 |
1000 |
600×600 |
D22×8本 |
|
22.20 |
900 |
D25×8本 |
25.40 |
1000 |
D29×8本 |
28.60 |
1300 |
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■ 標準配合 |
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一般的な吹付モルタルの標準計画配合比は、表4・1の通りである。 |
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表4・1 吹付モルタル標準計画配合例(1m3当たり) |
区分 / 材料 |
セメント |
細骨材 |
水 |
摘要 |
配合比 |
1 |
4 |
0.6以下 |
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表4・2 配合計算例-1 |
材料 |
質量(㎏) |
絶対容積(m3) |
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=0.040 |
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計 |
620 |
0.387 |
細骨材 |
1000×0.613×2.60=1594 |
1-0.387=0.613 |
合計 |
2214 |
1.0 |
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表4・3 配合計算例-2 |
項 目 |
計 算 |
セメント1000㎏
に対する骨材,水
を算出 |
配合比が1:4であるためセメント1000㎏に対して
細骨材(S)=C×4=4000㎏
水(W)=C×0.55=550L |
モルタル容積 |
モルタル容積(V)は
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モルタル
1m3当たり
の材料 |
モルタル1m3当たりの必要な材料は
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表4・4 主アンカーの寸法 |
標準枠断面 |
主アンカー |
補助アンカー |
摘 要 |
150×150 |
D16 L500 |
D10 L300 |
スターラップ無し |
200×200 |
D16 L750 |
D10 L400 |
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300×300 |
D19 L800 |
D13 L500 |
|
300×300 |
D19 L800 |
D13 L500 |
スターラップ有り |
400×400 |
D19 L800 |
D13 L700 |
|
500×500 |
D19 L1000 |
D16 L800 |
|
600×600 |
D19 L1000 |
D16 L800 |
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図2 スターラップの形状 |
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表4・5 スターラップの目安 |
断 面 |
鉄筋 |
ピッチ(mm) |
300×300 |
D10 ~ D13 |
250 以下 |
400×400 |
D13 ~ D16 |
300 以下 |
500×500 |
D13 ~ D19 |
400 以下 |
600×600 |
D16 ~ D22 |
500 以下 |
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表4・6 各種応力度 |
(単位:N/mm2)
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設計基準強度 |
15 |
18 |
許容曲げ圧縮応力度 |
5 |
6 |
許容せん断応力度 |
0.33 |
0.40 |
許容付着応力度(異形鉄筋) |
1.3 |
1.4 |
|
許容引張応力度 |
160 |
180 |
許容せん断応力度 |
80 |
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表4・7 設計アンカーの目安 |
フリーフレーム断面 |
アンカーピッチ
(m) |
設計アンカー力(kN) |
σca=5N/mm2
(A)~(B) |
σca=6N/mm2
(A)~(B) |
300
d=235mm |
2.0
3.0 |
90 ~ 115
60 ~ 80 |
105 ~ 135
75 ~ 90 |
400
d=315mm |
2.0
3.0
4.0 |
220 ~ 275
150 ~ 190
115 ~ 145 |
265 ~ 330
180 ~ 230
140 ~ 175 |
500
d=410mm |
3.0
4.0
5.0
6.0 |
300 ~ 380
230 ~ 290
190 ~ 235
160 ~ 200 |
360 ~ 450
275 ~ 345
225 ~ 280
185 ~ 235 |
600
d=510mm |
3.0
4.0
5.0
6.0 |
590 ~ 735
455 ~ 565
370 ~ 460
310 ~ 390 |
705 ~ 885
545 ~ 680
440 ~ 550
370 ~ 465 |
|
※ |
上記アンカー力は目安である。 |
(A)は単純梁 |
} |
による計算 |
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(B)は連続梁 |
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発注: |
JR東日本(株) |
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工事名称: |
常磐線 羽鳥・友部間
降雨防災強化対策その2工事 |
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工事場所: |
茨城県笠間市(岩間~友部間) |
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